EF Education Firstのプログラムにて、米国の心理学専攻の学生を対象にレクチャー「Visible / Invisible Japan」を実施しました。
このたび、EF Education First様よりお招きいただき、来日中の米国の心理学専攻の学生の皆さんを対象に、日本のワークカルチャーとメンタルヘルスに関するレクチャーを実施しました。
日本のワークカルチャーとメンタルヘルスはどのように結びついているのか。そして、それは学生の皆さんの母国であるアメリカとはどのように異なるのか。一方的な講義ではなく、学生の皆さんの問いや気づきを出発点に、一緒に考えるインタラクティブなセッションとして構成しました。
「見えるもの」から「見えないもの」へ
レクチャーでは、日本社会の「見えやすい層」から「見えにくい層」へと視点を移しながら、日本の働き方や価値観を段階的に掘り下げていきました。
新卒一括採用や終身雇用に代表される長期雇用慣行。職場の上下関係や暗黙のルール。日本で働く人々はストレスとどのように向き合っているのか。なぜ「助けを求めること」が難しいのか。メンタルヘルスに対するスティグマや、従業員のウェルビーイング(経済面・身体面・精神面)について企業はどこまで責任を担うものと考えられているのか。こうしたテーマについて、学生の皆さんとともに考えました。
また、日本ではキャリアは転職を重ねるよりも、一つの会社の中で異動や経験を積み重ねながら形成されることが多いこと、専門性を前提に採用する傾向のある米国企業に対し、日本企業ではポテンシャルや組織との適合性を重視して新卒を採用し、ジョブローテーションを通じてジェネラリストを育成する傾向があることについても紹介しました。
さらに、AIの進展によって雇用や仕事のあり方が変化する中、人々は「雇用の安定」と「働く上での自律性」をどのように捉え、何を優先していくのかというテーマにも議論が広がりました。
学生の皆さんとの対話から
何より印象的だったのは、学生の皆さんの積極的な姿勢でした。アメリカでの働き方や自身の経験、日本滞在中に感じたことなどを交えながら、多くの鋭い質問や意見を投げかけてくださいました。
特にケーススタディを用いたディスカッションでは、一人ひとりが異なる価値観や視点を共有してくださいました。正解が一つではないテーマだからこそ、国や文化による前提の違いが鮮明になり、互いに学び合える貴重な時間となりました。
参加した学生の皆さんからは、次のような声も寄せられました(英語原文より一部抜粋・抄訳)。
「このレクチャーのおかげで、東京で体験した多くのことが、日本社会の『見えない側面』とつながりました。多くの観光客は、日本の『見える側』しか体験していないのだと気づかされました。」
「日本のワークカルチャーがなぜ息苦しいものになり得るのか、その理由を見事に掘り下げて説明しながら、同時にこの社会のあり方が持つ良さにも光を当ててくれました。」
「日本で生きる人々のキャリアパスと、それがアメリカでのキャリアとどう異なるのかについて、多くの気づきを得られました。」
末筆ながら、引率いただいたDr. Yalcin Acikgoz、学生の皆さん、そしてこのような貴重な機会をくださったEF Education First様に、心より感謝申し上げます。

